2025.01.22

日本の靴

前回のブログでお知らせをしましたが、今年の4月18,19,20日に湯布院にてイベントを開催します。

今回のイベントテーマは「日本の靴」。

そこで今回は、「日本の靴」について少しお話ししたいと思います。

「日本の靴とは?」と考えたとき、デザイン、素材、技術、あるいは海外の靴との違いなど、さまざまな観点が思い浮かびました。その中で、最も大切なものに気づきました。それは、木型です。

靴づくりにおいて木型は非常に重要な役割を果たします。履き心地を大きく左右するだけでなく、靴のフォルムやデザインにおいても欠かせない要素です。

では、その木型をどう作るのか?

これが今回、最も苦労した部分でした。

まず、過去に靴をお作りしたお客様や店舗にご来店いただいた方、友人・知人など、約100人以上の足のデータを調べました。足長、足幅、後部足長比率、踵幅など複数の項目を計測し、それらを日本人の平均値と比較しました。そして、現在の日本人の平均値を導き出しました。

もちろん、あくまで平均値であるため、全員にピッタリ合うわけではありません。しかし、このデータをもとに分析を進める中で、多くの気づきが得られました。

靴づくりにおいて「木型」は最も重要な工程です。木型が良いと、「履き心地の良さ」「フォルムの美しさ」、そして「かっこよさ」が実現します。

まず、履き心地の良さを追求するには、足の構造をしっかり理解することが大切です。足は骨を中心に筋肉、靭帯、腱で構成されています。この骨の位置をデータを基に分析し、平均値を算出して木型を設計しました。

次に、フォルムの美しさについては、「ラストプロポーション」という黄金比を活用しています。イギリス、イタリア、ドイツなどの木型を分析し、日本人の骨格や平均的な足囲に適した形状をデザインしました。

さらに、靴の「顔」ともいえるつま先部分には特にこだわり、時代に流されないデザインを目指しました。シャープすぎず、自分らしいバランスを大切に仕上げています。

来年開催予定のイベントでは、この木型を用いたパターンオーダーの靴を発表予定です。詳細については、次回またお知らせしますね!

どうぞお楽しみに!